2007年2月 ボーヴェ旅行記 

2007年2月2日(金)〜2月3日(土)


2007年2月2日(金)      ボーヴェに出発


今日から、Beauvaisへ、1泊旅行。

年末に行くはずだったんだけれど、
ハゲのクロネコ部長が病気で延期になっていたのだ。
近いし、1泊予定だから、週末でもいけるんだけれど、
あえて、金曜日に休みを取ってくれた。

1泊なのは、予算の関係とかもあるけれど、
ユーロちゃんをあまりほって置けないからね。
1泊なら、トイレを多く設置して、
餌を自動餌やり機でやれば、全く大丈夫なのだ。

なので、自動餌やり機のタイマーセットもして、出発!
ユーロちゃん、しっかり留守番頼むぜ!

といっても、近いから、10時ごろに家を出る。
ボーヴェは、パリの北、ピカルディー地方のオワーズ県にある。
パリからだと、普通電車で1時間程度のところ。
うちからだと、2時間くらいで着くはずなんだけれど、
途中で、1時間半も、乗り換え電車を待つ。
ローカル・ルートで行く予定なので、おにぎりと唐揚げでお弁当も準備。

TERの新車両には、電源もついていたりして、工夫されていた。
1両編成(1両でも編成と言うのだろうか?)の電車だった。

無事にボーヴェ到着〜。

タッチパネルの
自動切符販売機
教祖がコンポステ TERは、地方路線の電車
新車両なので気持ちいい
平日なので空いている
ボーヴェの駅 ホテル・デュ・シーニュ(二つ星)
街中には、他にホテルがない
観光客は少ないみたい
発掘されてる教会の一部


今回の旅の目的地ボーヴェには、
最後のカテドラルがある。

「ラスト・カテドラール」(ラスト侍な気分で)
の地なのである。

最後ってどういうことかと言うと、
ゴシックカテドラルは、
高く高く、大きく大きくと急激に巨大化が進んだ挙句、

「おらが村では、世界一大きい大聖堂を作ったるどー」

という妄執の結果、巨大化に耐えられず、
建設途中で崩れちゃったのだ。

バベルの塔ってわけです。

そんな、とほほのボーヴェの大聖堂は、未だに、未完成
というか、崩壊の危機にある。

なので、見所は、

「どれだけ、でかいのか」
「どれだけ、未完成なのか」
「どれだけ、崩れそうなのか」


と言う感じ。

大聖堂オタクとしては、わくわくするわけです。

あと、素敵なロマネスクの教会もあるらしい。
もう、ばっちりです。

で、ホテルに荷物を置いて、カテドラル・サンピエールへ!
小さい街だから、すぐ、裏がカテドラル。


うううう??????
で、でかい・・・
というより、まず、第一印象は
「形が変・・・」

これは、後で説明を読んで気がついたんだが、
なんと、この巨大建築物、後陣を作って、
メインの身廊を作る前に、高い塔を立てたら、
塔が崩れちゃって、身廊も建設されなかったらしいのだ。
つまり、お尻の丸い部分のみってわけ。
そりゃあ、変な形だわ。
これに、身廊つけたりしたら、本当に巨大だったろうなあ。
てか、明らかに大きすぎるぜ(汗)


中に入ると、芯張り棒みたいなので、
補強されているのが、痛々しい。
たぶん、毎年少しずつ、ゆがんでるらしくて、危ないらしい。
たしか、テレビでそんなことを言っていた。

ああ、悲しきかな超巨大カテドラル。

巨大ではあるが、見て回るところはそれほど多くない。
なにせ、お尻しかないからね。
高さが明らかに、ありえない高さ。
そして、むちゃくちゃ寒いよ。
これだけ、広ければ当たり前だけどね。

カテドラルはSt Pierreの名前だけあって(?)
ローマのサンピエトロ大寺院と同じ聖ペテロの像がある。
なので、右足を触っておく。
ペテロの像を見たら、右足をさするんだぜ!
幸運が訪れるからな!
みんなが触りまくるから、ペテロの像は、
必ず、足がつるてかなのさ!


こっちは、未完成部分
不恰好に止められてます
本当に高くて、
見上げると目眩がします
飛び出す絵本
「キリストの最期」


で、実は、この大聖堂にはお宝がある。

19世紀に作られた、無意味にゴージャスな
「天文大時計」(Horloge Astronomique)があるのだ〜。

す、すごい!
52個の文字盤に、上部の人形たちは動くのだという。

これが、見たかったんだよね。

そろそろ、動く時間なので、わくわくして待つ。
一人4ユーロ(5ヶ国語の解説付)。
日本語はないけどね。

平日のせいか、客は、わしらと、あと二人。

満遍なく説明してくれる。
が、肝心の「自動人形」の動きは、
ほんとおおおおおおに、笑っちゃうくらい、しょぼかった
いや、たぶん、19世紀にしては、スッゴイんだと思うのだけれど、
わしらは、ディズニーランドの
リトルワールドみたいなのを期待しちゃうからね。
でも、その、しょぼさが、魅力(笑)

まず、雄鶏が、3回鳴く
それから、天使が最後の審判の笛を鳴らす。
それから、「美徳」の人形が出てきて、最後の審判にかけられる!
マリア様が、キリストに「慈悲」を請う。
サンミッシェルの持っている秤が、いいほうに傾く。
キリストが「天国OK」のサインを出す。
天使が出てきて、音楽を奏でながら「美徳」と一緒に退場。

それから、お約束の地獄編。
いかにも、悪そうな「悪」が最後の審判にかけられる。
マリアは慈悲をこう。
が、サンミッシェルの秤が悪いほうに傾いて
キリストが「だめ〜」のサインを出す。
悪魔が出てきて、「悪」は回りながら退場・・・。

うーむ、どうしても、「おれたちひょうきん族」を連想してしまう・・・(汗)
微笑ましいほどナイーブな作りが、グッド。

下の動画で、動きが少し楽しめます(音が出ます)

ボーヴェの大時計(動画)


自慢の天文大時計
素晴らしい!
横には、モンサンミッシェルの潮時計も


説明を聞いてると、
世界の都市の時間、月の満ち欠け、
星座の時間、果ては、春夏秋冬時計・・・
どう考えても、52個の文字盤は、いらないな(笑)

いやあ、素晴らしかった。

無意味にゴージャスだ。

こんなのを作ったお金はどうしたんだろう。
怪しい・・・。
巨大カテドラルといい、ゴージャス天文時計といい、
怪しい見栄っ張りな街、ボーヴェ。

たまらなく、堪能しました。

大聖堂にいたのは、1時間程度だったのに心底冷えた。
冷え冷え・・・。寒いよ・・・。
で、外に出たら、中より暖かかったよ。
こんなに巨大だから、冷えちゃうんだなあ。
一つもいいところのない、巨大カテドラルだな。

今日は、クレープの日(Chandeleur)なので、
お茶しながら、久しぶりにクレープを食べた。
美味かった。

バナナ、チョコ、バニラアイス、ココナツ、
シャンティイのクレープ
嬉しそうだ〜


それから、カテドラル裏にある、
美術館(Musée Départemental de L'Oise)に行った。
無料だけあって、展示品はあまりない。
ちょっとだけ、かわいい中世の木彫りの人形があった。
あとは、現代アートが少し。
アールヌーボーのかわいい戸棚があった。

道路にかわいいトカゲのプレート 美術館の建物は、素敵 お庭は、かわいく刈り込まれている

青銅の兵士 母子像


あとは、ボーヴェの町を散策した。
といっても、戦災でほとんど崩壊したらしく
奇跡的に残ったカテドラル以外は
道路も何もかも、新しい町並みだった。


2007年2月3日(土)      ボーヴェ観光


白鳥ホテル(Hôtel du Cigne)は、お安いだけある。
でも、見たところ、ボーヴェの街中に、他に、ホテルないんだよね。
感じは良いのだけれど、施設が壊れかけている。
朝食は、しょぼいけど、一応ちゃんとバイキングだ。

朝食、7ユーロなり あまり選ぶものはない 食べ過ぎちゃうんだよね


昨日で、ほとんど、見所は見ちゃったような、ボーヴェ観光。
パリからなら、余裕で日帰りコースです。

今日は、昨日まだ見てない
ロマネスク教会 Eglise St Etienneに行く。


といっても、すぐ、そこさ。

今日は、すごくいい天気だ〜。青い空。
おかげで、ちょっぴり、寒いけど。

ロマネスク教会・・・。
これも、第一印象は「か、形が、変????」

なんだか、妙なものがくっついてます。
ベフロワの塔みたいなんだけど、丸みを帯びていて、お城の見張り塔みたい。
半分から、ロマネスク、半分から、ゴシック&お城の塔・・・。
フランケンシュタインのような、つぎはぎを感じる。
その塔以外にも、このロマネスク教会は、
途中からフランボワイヤン様式のゴシックになっている。
まあ、これは、よくあることではあるんだけれど。
ロマネスクの部分も背が高いよ。むむむ。

と、うなりつつ、中へ。
ミシュランガイドによると、
「エッサイの木」のステンドグラスが、見所らしい。

わしは、てっきり、古いステンドグラスと思っていたら、
16世紀の新しいステンドグラスで、なんだか、がっかり。
「ええええ、これですか・・・」(写真→)

新しい様式のステンドグラスで
「エッサイの木」は、
なんだか、キッチュな、「木人間」になっていた。
いや、これで、正しいんだけど。
これは、絵がリアルで、きもかわいいよ。

身廊は、ロマネスク、後陣は、ゴシック、塔は、お城・・・。
ハーモニーが足りなくて、笑ってしまう。

あとは、外のばら窓に、「運命の輪」が彫刻されているというので、
行ってみたが、崩れていて、汚れていて、ちっとも、よくわからなかった。
修復して欲しいなあ。

ステンドグラスには、ちょっとがっかりしたけれど、いろいろ楽しかった。

バスには、カテドラルのマーク ロマネスク教会
向こうについている塔が
変な感じ
ピエタ
緑の羽根のサンミッシェル様(左)と
赤い悪魔(右)
細い階段 右の聖人は、聖水で
タラスクという怪物を退治している


運命の輪
見えないなぁ・・・



ロマネスク教会には、パンフレットとかが売ってなかったので、大聖堂に行ってみる。
もしかして、売ってたかなと思ってね。
あと、天文大時計の、DVDを買おうかどうか、すごく、悩んで
ほとんど、買う勢いでいったんだけれど、
その場で、大人になって、買うのはやめた。
たった、16ユーロだったんだけどね。

危なかった

もう、ロマネスク教会も見たし、あとは、何も見るものがないので
タピスリー美術館(Gqlerie Nationale de la Tapisserie)にも
行ってみることにした。無料らしいし。

タピスリーは、展示の仕方が最悪で、
なんの絵柄を扱っているのか説明が全然わからず、つまんなかった。

お昼をカフェレストランのようなところでさくっと食べて、
割と早い電車でパリに行くことにする。

電車でボーヴェを離れるときに、カテドラルを見た。
さすが、超巨大カテドラル!
本当に、でかい。
こんもりした丘みたいだ。
遠くから見ると、その大きさがわかるなあ。
ノートルダムなんて、すっぽり入っちゃいそうだし。
巨大過ぎて、崩れてしまった未完の大聖堂。
風に耐えるだけでも大変そうだ。

ああ、疲れた。楽しかった


青空に映える
超巨大カテドラル
外にも、「芯張り棒」がたくさん 楽しかったよ〜


家に帰ったら、ユーロちゃんが待っていた。
自動餌やり機で、ちゃんと、ご飯は食べていたようだけれど
なぜか、餌のトレイが、直角にそそり立っていた。
むううん。

留守中のネコの様子を、見てみたい。



HOME copyright (c) 2007 ShironekoEuro,
all rights reserved